雇用時健康診断とは?詳しい検査項目や定期健康診断との違いも解説

雇用時健康診断と聞いて、どのような健康診断を想像するでしょうか?

「年に1回受ける健康診断とは何が違うの?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。

雇用時健康診断は、すべての労働者に受ける義務がある大切な健康診断です。

本記事では、雇用時健康診断とはどのようなものなのか、詳しい検査項目や定期診断との違いについて解説します。

北千住駅から徒歩2分の東京千住・尚視会健診プラザでは、雇用時健康診断を行っていますので、実施予定のある方はぜひご検討ください。

雇用時健康診断とは?

雇用時健康診断とは、企業への就職時、健康診断書を提出するために行うもので、年に1度受ける定期健康診断とは受けるタイミングが異なります。

雇用時健康診断の目的は、企業が労働者を雇った後の健康管理に役立てることです。

企業の管理職に該当する方が事前に労働者の健康状態を把握できるため、身体に弱い機能があった際負担がかからないように仕事内容の調整をするなど、一人ひとりへの配慮が行き届き、労働者も無理なく働けます。

雇用時健康診断は労働安全衛生規則43条で義務付けられており、入職するすべての労働者は雇用時に必ず受けなければなりません。

 

健康診断の種類

健康診断には、雇用時健康診断以外にも様々な種類があるのをご存じでしょうか?

最も身近である会社や市で行う定期健康診断の他にも、対象者や診察箇所を絞ったものがあります。

ここでは、労働安全衛生規則などの法令で定められた健康診断をご紹介しますので、それぞれの対象者や特徴を頭に入れておきましょう。

  • 一般健康診断
  • 特殊健康診断
  • 海外派遣労働者の健康診断
  • じん肺健康診断
  • 歯科医師による健康診断

一般健康診断

一般健康診断は年に1度実施する定期検診で、労働安全衛生規則44条にて定められています。

診断項目は、診察の他に血液検査、検尿、胸や胃のレントゲン検査など約30項目です。

  1. 既往歴、業務歴の調査
  2. 自覚症状、他覚症状(所見)の有無の検査
  3. 身長、体重、視力、腹囲、聴力(1,000 4,000Hz)の検査
  4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
  5. 血圧測定
  6. 貧血検査(Hb、RBC)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GPT)
  8. 血中脂質検査(TG、HDL-cho、LDL-cho)
  9. 血糖検査
  10. 尿検査(糖、蛋白)
  11. 心電図検査(安静時)

対象年齢は、35歳〜74歳の方となっています。

特殊健康診断

特殊健康診断は、法令で定められた有害物質を取り扱う労働者を対象に行われている健康診断で、労働安全衛生法66条によって定められています。

対象の業務内容は以下の通りです。

  • 高気圧業務
  • 放射線業務
  • 特定化学物質業務
  • 石綿業務
  • 鉛業務
  • 有機溶剤業務
  • 四アルキル鉛業務

高気圧業務なら、四肢の運動機能や⿎膜、聴⼒の検査、放射線業務なら白⾎球数および白⾎球百分率の検査、皮膚検査など、各業務によって疾患のリスクが高くなる病気の検査を行います。

海外派遣労働者の健康診断

労働安全衛生法45条では、海外派遣労働者の健康診断が義務付けられています。

実施期間は、海外派遣前と派遣後の2回で、一時帰国の場合は免除されます。

診断項目は以下の通りです。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無
  3. 身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
  5. 血圧検査
  6. 貧血検査
  7. 肝機能検査
  8. 血中脂質検査
  9. 血糖検査
  10. 尿検査
  11. 心電図検査

さらに医師が必要と判断した場合、感染症に関する抗体検査(B型肝炎やC型肝炎)や血液型検査、便検査(便潜血反応検査や虫卵検査)などを追加して行うこともあります。

海外は日本にはない健康を害する因子がたくさん存在しているため、派遣中に疾患する可能性も十分に考えられます。

疾患した場合でも早期発見すればすぐに治療が始められるので、健康診断を受けることはとても大切です。

原則としては海外派遣する本人のみが検査対象ですが、同居するご家族も同様の検査を受けると安心でしょう。

じん肺健康診断

じん肺健康診断は、陶磁器製造、鋳物製造など粉じん(大気環境中に浮遊する微細な粒子状の物質)を作業で扱う労働者を対象に行われている健康診断で、じん肺法第3条などによって定められています。

診断項目は以下の通りです。

  1. 粉じん作業職歴の調査
  2. 胸部のエックス線直接撮影による検査
  3. 胸部臨床検査
  4. 合併症に関する検査
  5. 肺機能検査

粉じんを多量に吸入してしまうと、肺に蓄積し咳や痰、息切れ、さらに呼吸困難になる場合もあります。

有害性が低い物質であっても、長期間吸入すれば肺障害の原因に成りかねないため、該当する労働者の方は定期的に検査を受けることが大切です。

歯科医師による健康診断

特殊健康診断のひとつである歯科医師による健康診断は、メッキ工場、バッテリー製造工場などの従業員などの硫酸や塩酸、フッ酸などのガスや粉じんが発散する場所で業務を行う労働者を対象にしている健康診断で、労働安全衛生法48条によって定められています。

一般的な歯科検診とは異なり、口腔顔面領域の皮膚粘膜の状況や歯の状況(歯牙酸蝕症など)、  顎骨の状況などの検査を行い、必要に応じて歯や舌の写真を撮影する場合もあります。

硫酸や塩酸、フッ酸などの化合物は、歯の表面を覆うエナメル質が溶ける酸蝕症などの症状を引き起こす可能性もあるため、該当する労働者の方は定期的に検査を受けましょう。

 

雇用時健康診断の対象者

雇用時健康診断は、原則すべての労働者を対象に行います。

正社員以外にパートやアルバイトの場合でも、以下1〜3のいずれかに該当しており、かつ1週間の労働時間が正社員の4分の3以上である場合は健康診断の対象となります。

  1. 雇用期間の定めのない者
  2. 雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上(※)使用される予定の者
  3. 雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上(※)引き続き使用されている者

(※)特定業務従事者(深夜業、有機溶剤等有害業務従事者)は6か月以上

雇用時健康診断は正社員だけでなくパートやアルバイトの労働者も義務付けられているので、注意しましょう。

 

雇用時の健康診断の法令で定められている項目

雇用時健康診断は、労働安全衛生規則第43条において次のように規定され、すべての事業者にその実施が義務づけられています。

労働安全衛生規則第43条(雇入れ時の健康診断)

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。

(以下省略)​

引用:労働安全衛生規則 第一節の二 健康診断 第四十三条 – 中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター

雇用時健康診断の診断項目は、以下の11項目が定められています。

  1. 既往歴及び業務歴の調査
  2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
  4. 胸部エックス線検査
  5. 血圧測定
  6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
  7. 肝機能検査(GOT、GPT及びγ-GT(γ-GTP)の検査)
  8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  9. 血糖検査(空腹時血糖またはHbA1c、やむを得ない場合は随時血糖(食後3.5時間以上))
  10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  11. 心電図検査

雇用時健康診断は検査項目が多いだけでなく、一般健康診断のように項目が省略できないため煩雑だと思われるかもしれませんが、労働安全衛生規則で規定されているので必ず受けましょう。

 

雇用してからいつまでに健康診断を実施する?

入社3ヶ月以内に必須11項目の検査を行い診断書を提出すれば、雇用時健康診断の実施を省略することができます。

そのため、雇用時健康診断を受けるタイミングは労働安全衛生規則では決まっていませんが、入社前3か月から入社後1か月以内の実施が妥当であると考えられています。

雇用時健康診断を省略する場合は、11項目すべての検査結果が漏れていないか必ず確認してから提出しましょう。

 

雇用時健康診断なら東京千住・尚視会健診プラザをご利用ください

雇用時健康診断の検査項目や定期健康診断との違いなどについて、詳しく解説しました。

すべての労働者が受ける義務のある雇用時健康診断は、入職後の健康管理に必要不可欠なので、必ず病院やクリニックで受ける必要があります。

東京千住・尚視会健診プラザは雇用時健康診断をはじめ、人間ドックやプレミアムドックなどの健診に特化したクリニックです。

北千住駅から徒歩2分とアクセスが良く、土曜日・日曜日も開院しているため、仕事や家事で時間が作りづらい方でも受診しやすいです。

また、診断結果は即日対応し(別途料金)すべてスマホアプリから閲覧可能で何度もクリニックに足を運ぶ必要がありません。

就職する、パートやアルバイトを始めるという方は、ぜひ当クリニックの雇用時健康診断をご検討ください。

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